こんにちは。アロマセラピストの吉川です。

今年の春は初夏のような暖かさが続いたかと思ったら、寒の戻りのような寒さが再びやってきたりと、季節の変わり目の寒暖差が大きくありました。体調の変化も現れる時期でもあります。夏の入り口も見えてきました。次の季節に備えて、疲れを残さず、ためないように疲れたと感じた時はいつもよりもしっかりと体を休めてください。

さて、今日は心身の健康から生活の質(QOL)をあげていくお話です。最近「生活の質」という言葉をよく目にします。日常生活を「豊かに」「快適に」という電化製品や便利な商品など「生活の質をあげるアイテム」が並んでいたりします。確かにそれがあることでいままでの作業がスムーズにいったり、時間を有意義に過ごせたり、楽しい気持ちになることは生活の質があがったと実感します。ただ今回は物質的なものでなく、「肉体的」「精神的」なアプローチから「生活の質」をあげていきたいと思います。

 

生活の質(QOL)とは?

生活の質(QOL)はクオリティーオブライフと呼ばれ、主に医療現場で使われてきた言葉です。 1948年の世界保健機関(WHO)憲章にまとめられた「健康とは単に病気や病弱の状態でないというだけでなく、肉体的、精神的および社会的にもすべて良好な状態である」という定義から、1961年にアメリカの公衆衛生医であったハルバード・ダン博士によって提唱された「ウェルネス」=「心身ともに健康で輝く状態」という単に「健康」というのではなく、「健康」を更に視野を広げてみていく考え方に基づくものです。

医療現場では日常生活動作(ADL)という指標を用いています。Activities(動作) of Daily(日常) Living(生活)の略で、「歩く」「着替える」「食事」「排泄」「入浴」などの日常の動作を指します。散歩や食事をすることで幸福感を持ったり、排泄を自分で行うことで個人の尊厳を守ることが可能です。日常生活動作(ADL)の維持は生活の質(QOL)を向上させると考えられています。

生活の質(QOL)は日常の動作が出来ることで上がるのではなく、「幸福感」や「充足感」を何をもってその人が得られるかが重要です。生活の質(QOL)は個人の収入や財産をもとに算出される「生活水準」とは分けて考え、物質的な豊かさだけでなく、生きがいや自己実現など精神的な充実など、「生活や人生が豊かであるか」の指標となります。その人の価値観や考え方、その時の気持ちなど、人それぞれに充実感は異なってきます。最近は日常動作が「便利」で「簡単」にできるグッズや映像や音楽を楽しんだり、快適に過ごせる環境づくりのものなど、その人の日常生活をより良くするものを自由に選択することもできるようになりました。

 

心身の健康

ウエルネスで施術後、お客様とお話をさせていただく時にいつも感じることがあります。皆さんの表情がお越しの時と比べて柔らかくなられていている方が多くいらっしゃいます。「スッキリした」「楽になった」というお言葉とともに、ホッとされているご様子はセラピストとして最高に嬉しい瞬間です。アロマトリートメントや指圧、鍼灸でお辛い症状が緩和され、体の緊張が緩むことで心の緊張も緩まれたと拝見しています。

心と体はつながっています。気持ちがしんどくなると体にも辛さを感じたり、体が辛い時は気分が優れないことがあります。逆に、気分がいい時は体も軽く感じたり、体の調子がいい時は気持ちも安定しています。「幸福感」や「充足感」を感じることは、体もいい状態であるということとも言えます。 では、心身の健康はどのようにすればいいのでしょうか?

 

五感へのアプローチ

人は外部からの情報を目・耳・鼻・舌・皮膚の感覚器から捉えており、それらの「感覚」を視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五つから「五感」と呼ばれています。

「五感」は人や動物が外部からの情報、特に生命の危険を察知するための重要なセンサーという役割があります。センサーは脳につながっており、キャッチした情報をもとに脳は例えば「逃げろ」という指令を出して、全身の血流を上げて逃げるために動けるよう促します。脳と「五感」は密接なつながりがあり、常に「五感」から脳に情報が送られ、脳は瞬時に判断して次の指令を出しています。

しかし、脳が疲れてくると「五感」が鈍ってきます。また「五感」が鈍ると脳の疲れにも影響すると考えられています。近年、ネットの普及で情報が多く得られるようになり、また日常生活でも利便性のあるものが増えましたがその分選択肢も増え、脳への「刺激」が多くなり、それがストレスにつながってしまうことも多くあります。心身の健康のためには脳の疲れを回復させ、また鈍った「五感」を正常の状態に戻すことも大切です。

疲れがとれにくくなったり、眠りが浅くなったと感じている方は「五感」を意識してみてください。意識がそこに向くことで本来のセンサーが発揮されやすくなります。 是非お試しください。

 

視覚

視覚は五感の中で約80%を占めている感覚です。パソコンやスマホの画面や日差しなど強い光は大きな刺激になります。「目」が疲れたな、と感じたら遠くを見たり、窓がない場所ならしばらく「目」を閉じることもおすすめです。また、休日など視界の広がる場所で遠くのものを見ることも「目」を休めることにつながります。

 

聴覚

日常のなかで音は様々な場所から聞こえてきます。「耳」を澄ませば、という言葉がありますが日常の生活音とは違う音を感じることをおすすめします。風が木々を揺らす音や水の流れる音、虫の鳴く音など自然と聞こえてくる音に「耳」を傾けてみてください。また、お好きな音楽を楽しむこともリラックスしていいアプローチになります。この場合は音量をあげ過ぎないようにすることがポイントです。

 

嗅覚

嗅覚は「五感」の中でも最後まで感覚が残ると考えられています。どこかで火事だ!と焦げた臭いを感じて逃げることは太古の昔は生命にかかわることであり、また食べ物の匂いを嗅いで食していいかの判断もしていました。視覚に比べて感覚的には小さく思えますが「鼻」で感じた記憶は脳に定着し、私たちの感情に大きく影響を与えます。 キンモクセイの香りを嗅ぐと、もう秋なんだと感じたことはありませんか?そしてどことなく懐かしい気持ちになったりもしますが、それは香りと記憶がつながっていて香りを嗅ぐことにより記憶が想起されるからです。 気持ちが沈んだり、やる気が起きずらい時にはお好きな香りを嗅いでみたください。アロマの香りは手に入りやすく種類も豊富です。お気に入りの香りを数種類揃えて、その時の気分に合う香りを楽しむことをおすすめします。また、花の香りや草の匂いなど自然の中で感じることもリラックスを促します。

 

☆味覚

味覚は食べることで感じるものです。甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の五つの基本味を舌で感じています。「食事」において、ただ栄養を摂るだけでなく、香りや料理の盛り付け、味の記憶など、「嗅覚」「視覚」、そこからくる記憶なども刺激されています。これらが実は「五感」のセンサーを働かせてくれる重要な役割をしてくれます。 お好きなもの、季節のもの、彩のあるものを楽しく食べることがおすすめです。家族や仲間と一緒に食事をすることも楽しいですね。忙しい日常ではゆっくり食事が出来ない方も、お休みの日にはゆっくり食事を楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

☆触覚

指圧マッサージによるリラクゼーション効果を

触覚は物に触れた時の感覚です。温かい、冷たい、痛いという皮膚感覚を主に差します。「手当て」という言葉がありますが、肌に手を当てるだけでも気持ち良さにつながります。 アロママッサージや指圧マッサージなど「人の手」で触れられる施術はまさに「触覚」へのアプローチになります。また頭皮マッサージなど脳に近い部分のマッサージは脳の疲れに特におすすめです。マッサージに行けない、という時にはご自分の「手」を当ててみられるのも気持ちがいいです。お風呂上りなどにボディークリームなどを使われたり、ただ手を当てられるだけでも触れた感覚を味わうことができます。

 

まとめ

「五感」と脳が密接につながっていることから、感覚が鈍ってくると脳も疲れを起こしていると気づけます。逆に、「五感」を適切に刺激することで脳の疲れへアプローチすることができます。 大切なセンサーである「五感」を正常に働かせることで、自律神経のバランスが整い、活動する、リラックスする、休む、という日常生活での体のリズムも整います。自律神経が整うと、気持ちも安定し、日常の中での「幸福感」や「充足感」など自分の気持ちを感じやすくなります。

生活の質(QOL)をあげていくには、生活に必要な日常生活動作と心身の健康はとても重要です。便利で生活を楽しめるアイテムもそれらがないと使いこなすことは難しいかも知れません。

心身ともに健康でいきいきと過ごしていくことがその人の生活の質(QOL)をあげていくことにつながっていきます。

 

☆ウェルネスでお手伝いできること☆

ウエルネスは本町で長年多くの方にご利用いただいてきました。長く通ってくださっている方も多くいらっしゃいます。現在の場所に移転した際、久しぶりにお越しになった方が「来るだけでホッとする」とおっしゃってくださいました。嬉しい限りです。

ウエルネスは都会の中の隠れ家のような落ち着いたバリ風の内装とゆったりした空間が自慢です。お忙しい日常から少し離れた非日常の環境は「来るだけでホッとする」場所としてまず「視覚」から皆さんをお迎えし、ゆったりした音楽(聴覚)、ほのかなアロマの香り(嗅覚)、手技を使ったマッサージ(触覚)、そして最後にお飲み物(味覚)の提供と「五感」すべてを感じていただけます。

私たちが日常のお忙しさや大変さを直接改善することは叶いませんが、皆様が日常をより快適にいきいきとお過ごしいただけるようお手伝いさせていただきます。

「店内の五感」を整えて、皆様のお越しをお待ちしております。