「目が重い」「目がかすむ」「夕方になると目がしょぼしょぼする」など、目の症状を感じたことはありませんか?
パソコンやスマートフォンなどの普及により、ウェルネスでも目の症状を訴える方がとても多いです。
また何時間も同じ姿勢でモニター画面を見続けることで、目の疲れが蓄積され目だけでなく全身の不調を伴うケースもあります。
単なる目の疲れであれば、1〜2日ぐっすり眠ることで回復しますが、休んでも回復せず、慢性的に続く疲れのことを「眼精疲労」といいます。
眼精疲労は目の疲れがさらに進行した状態です。
目がかすむ、目が重い、充血する、目の奥の痛み、ドライアイ、まぶたが開き辛いといった目の症状だけでなく、頭痛や肩こり、吐き気、不眠、食欲や集中力の低下、全身の倦怠感など、全身の症状も伴うこともあります。
ただ目が疲れているだけと放置しないようにしましょう。
眼精疲労の原因として
1近くばかりをみている毛様体筋の緊張
2加齢によるピント機能の衰え
3目の病気
4眼精疲労を引き起こす生活習慣
などがあります。
今回は1の近くばかり見ている毛様体筋の緊張による眼精疲労について説明します。
近くばかりを見すぎることによる毛様体筋の緊張が「眼精疲労」の原因に
目には自動的にピントを調節する機能が備わっており、目の中にある「毛様体筋(もうようたいきん)」という筋肉が縮んだり緩んだりすることで水晶体の厚さを変え、ピントを合わせています。
眼精疲労の多くが、この毛様体筋の緊張が原因とされています。
近くを見る時は、レンズとなる水晶体を厚くするために毛様体筋が緊張します。
しかし足や腕の筋肉が長く緊張していると疲れるのと同じように、毛様体筋も緊張状態が長時間続くと疲れてしまいます。
パソコンやスマホの画面など、近くの物をじっと見続けると眼球が固定され、毛様体筋には大きな負担がかかります。このような状態が長く続くことにより、『眼精疲労』を引き起こしてしまうのです。
また毛様体筋は自律神経に支配されているため、長時間この毛様体筋を酷使すると自律神経のバランスも乱れ、目だけでなく全身にも影響してきます。
そのほかにも遠くがよく見える様に矯正されたメガネやコンタクトレンズをつけたまま近い距離で物を見続けることでも、毛様体筋の負担が大きくなり、眼精疲労を引き起こしやすくなります。
眼精疲労を減らすには
☑️休憩をとるようにする
眼精疲労を軽減するために一番大切なのは休息です!
近距離で20分くらい目を使うとピント合わせる毛様体筋が疲労し始めます。疲労が軽いうちは、少し休むだけですぐに回復します。
目の疲れを感じ始める20分ごとに休憩し、数メーター先を数十秒見ることで、毛様体筋はリラックスできます。これは忙しい仕事の中でもできる回復方法です。疲れが大きくならないうちに目を休めてリフレッシュさせましょう。
☑️適切な眼鏡で見る
遠くがよく見えるメガネやコンタクトレンズをつけたまま近い距離で目を使い続けると、毛様体筋がすぐに疲労します。
目を使う距離に合ったメガネをかけることで負担が減り、眼精疲労も軽くなります。
鍼灸治療
眼精疲労では毛様体筋など目の周りの筋肉が緊張しています。
毛様体筋に直接鍼を打つことはできませんが、目の周りの筋肉からアプローチすることで目の疲れを軽減することができます。
また首と頭の境目の深層にある「後頭下筋群」にも鍼灸治療を行います。
この後頭下筋群は、首や頭が目の動きと連動して動くのを制御する働きがあり、目を使い過ぎるとこの後頭下筋群も硬くなってしまいます。
目周りや後頭下筋群が緩むと、眼精疲労の症状も軽減され視界がクリアになります。
ただ眼精疲労を軽減するには休息をとることがとても大切です。
鍼灸治療で眼精疲労が軽減されても、また目を酷使してしまっては意味がありません。日頃から目を休ませて目の回復時間を作るよう心がけましょう。