特に対応することが多い症状として、便秘、めまい、肩こり、腰痛、頭痛、不眠など自律神経の乱れが原因でおこる不調があります。
イラストの様にとても多岐にわたり、たいていの症状は自律神経の乱れが関係していると思います。
自律神経の乱れ、不調、自律神経失調症など簡単に使ってしまう表現ですが皆さん大まかには理解されているでしょうか?
自律神経には活動時に優位になる「交感神経」と、リラックスしているときに優位になる「副交感神経」があり、それらがその時々の状況に応じて交互に働き、全身の状態が最適になるように微調整しています。食事・呼吸・循環・排泄など生命活動機能が適正に行われることで、自立神経の交感神経と副交感神経は正しくシーソーの関係でバランスを取りはたらいてくれます。
昔は肉体疲労による単純な筋肉疲労が多かったのに対して、現代人は自律神経の乱れからくる症状で悩まれている方が圧倒的に増えています。地域性もありますが、私が知る限り10〜20年ほど前に比べてもその変化を感じます。
人間は本来、日が登れば起き、日が沈めば寝る。目や頭ばかり使わずに、体を使う。移動は足。エアコンが効いた屋内ばかりで生活はせず、暑い季節にはしっかり汗をかき体温を下げ、寒い季節には汗腺を閉めて体から熱が逃げないようにする。このようにして恒常性を保っていました。
ところが現代人は、心身のストレスや不規則な生活、人間本来の生活からかけ離れた生活をしており自律神経のバランスが乱れ、この微調整がうまくいかなくなり、さまざまな不調に悩まされています。
現代はインターネットの普及で、遊びでも仕事でもパソコンやスマホを触りじっとしていることが増えました。出かけなくても用事が済むことが増え、慢性的に運動不足な方が多い。また夜間でも仕事ができてしまったり、楽しめることが増え寝る時間が遅くなりがちです。。現代の子供たちは小さなうちからその様な社会で育つので、私たちよりもさらに自律神経が乱れやすい体質のまま大人になるでしょう。
ですので、今後はさらに自律神経の乱れからくる不調で悩む方は増えていくでしょう。
現代社会で多く見られるのは、交感神経が働く時間が長すぎて過緊張になる不調です。交感神経が優位になると血管が収縮して、血流が悪くなり、頭痛や肩こり、手足の冷えやしびれなどが起こりやすくなります。
女性の場合は、女性ホルモンの変動によって自律神経が乱され、イライラや抑うつ、のぼせ、頭痛、肩こり、冷えなど、さまざまな不調に悩まされることがあります。閉経前後の更年期には女性ホルモンの変動が大きく安定しないため、特に更年期障害と呼ばれます。
腸も自律神経と深く関係しています。「腸は第2の脳」とも言われますが、最近では腸と脳が互いに密接に影響を及ぼし合う「脳腸相関」も注目されています。ストレスを感じるとお腹が痛くなって下したり、便秘になった経験があると思います。
腸の蠕動運動は、リラックスモードの副交感神経が優位なときに活発になります。ストレスで交感神経が優位になると、蠕動運動が抑えられて便通異常が起こります。
低気圧が近づいたり、雨が降ったりすると体調不良になる「気象病」も自律神経が関わる不調です。気温や気圧、湿気などの変動が身体的ストレスとなって、自律神経の働きを乱し、頭痛やめまい、むくみ、倦怠感などの症状を招くと考えられています。
気圧が低くなると交感神経の働きが低下し、元気がなくなる傾向があります。季節の変わり目も寒暖差が大きく、自律神経が不安定になりやすいので体調を崩しやすいです。
東洋医学では未病と言われる考え方があり、自律神経の乱れは病気とは言えない身体が発する悲鳴だと考えています。ストレスや疲労の蓄積などに身体が耐えきれず、その歪みが諸症状となって表れます。赤信号になる一歩手前の黄信号のようなものですので、この機会に体をしっかり休ませるとよいと言われています。
東洋医学では『未病』と言われる考え方があり、自律神経の乱れは未だ病気ではない状態のこと。不定愁訴、自律神経失調がまさに『未病』です。
身体が発する悲鳴だと考えます。ストレスや疲労の蓄積などに身体が耐えきれず、その歪みが諸症状となって表れます。危険信号のようなものですので、この機会に休養しなければなりません。
少し専門的な考え方になるので、何となく理解して頂ければと思います。
流派やどこに着目して治療を行うかによって、考え方が何通りかあります。
自律神経系と関係が深い五臓の肝(かん)や心(しん)という所の機能を回復させることが根本的な治療になります。
肝は、身体の諸機能を調節し、情緒を安定させるのが、主な働きです。その働きを(疏泄[そせつ])と言います。また、「肝は血(けつ)を蔵す」といい、血を貯蔵し循環させる臓腑でもあり。さらに「筋(きん)をつかさどる」機能もあり、筋肉の収縮や弛緩といった運動の制御もします。
心の機能は、心臓を含めた血液循環系をつかさどることと、人間の意識や判断などの人間らしい高次の精神活動をつかさどることです。
ストレスの影響で自律神経系が乱れているようなら、「肝鬱気滞(かんうつきたい)」証が考えられます。
五臓の肝の機能(肝気)がスムーズに働いていない体質です。ストレスの蓄積、緊張の持続、人間関係のストレスにより、肝気の流れが悪化し、そのストレスが自律神経に及ぶと、自律神経失調症になります。
情緒不安定、憂鬱感、いらいら、ため息、排便の不調、生理不順などが生じます。肝気の鬱結を和らげて肝気の流れをスムーズにし、体を元に戻していきます。
さらに肝鬱気滞の状態でイライラが続くと頭に熱が昇り、「肝火上炎(かんかじょうえん)」証になります。強いストレスや緊張、怒りっぽい、寝付きにくい、のぼせ、ほてり、顔面紅潮などの症候がみられます。
頭に上った熱が、あふれてくると次は、五臓の心の機能(心気)が過度の刺激を受けて亢進すると、「心火上炎(しんかじょうえん)」証になります。
焦燥感、落ち着かない、不安、強い不眠、動悸、胸苦しい、などの症状が表れます。
他のとらえ方としては、漢方医学には気・血・水(きけつすい)という考えがあります。
気は気持ちの気や、病気の気で、生命エネルギーのようなものです。
血(けつ)は血液のこととほぼ同じと捉えて大丈夫です。
水(すい)は血漿やリンパ液など体液のようなものです。
この3つが、それぞれバランスを取りながら人間の身体の中をめぐっていて、それらのバランスが崩れると、体調不良になると考えられています。
自律神経失調症ではこの中でも特に気のめぐりが悪くなることによっておこります。
血と水は気によってめぐらされているため、気が滞ると血や水のめぐりも悪くなります。
また東洋医学には体調不良になる原因として、内因と外因という捉え方があります。そのうち内因は内側の原因🟰感情です。
感情により体調不良に陥ることが多々あります。怒る、喜ぶ、思う、憂う、悲しむ、恐れる、驚くなどの感情が極端に感じてしまうと一定の臓器に虚が発生すると考えられています。
『怒りは肝を傷る』・・・怒りすぎると肝虚になる。
肝のしっかりしている人は、几帳面で仕事などもきちんと片づけることが出来ます。この原動力になるのは肝に蔵している血です。
しかしこれが行き過ぎ、仕事でも何でもやりすぎてしまうと、血を消耗しイライラ怒りっぽくなって肝が弱ってしまいます。
『喜は心を傷る』・・・喜びすぎると心虚になる。
心は陽気の多い活動的な臓器です。心がしっかりしている人は、陽気で気分が和やかです。
しかし、喜びすぎると気が浮かび上がり、心に熱が多くなりすぎて心が弱ってしまいます。
『思は脾を傷る』・・・思い悩みすぎると脾虚になる。
脾のしっかりしている人は思考力があり、記憶力もよく、落ち着いて物事が考えられます。しかし、思いすぎ・考えすぎると、気の循環が悪くなり脾が弱ってしまいます。
『憂は肺を傷る』・・・憂い悲しみすぎると肺虚になる。
肺がしっかりしている人は、人の気持ちが分かり共に悲しむことが出来ます。しかし、憂い悲しみすぎると、肺気の発散が悪くなり肺が弱ってしまい鬱のようになってしまいます。
『恐は腎を傷る』・・・驚き恐れすぎると腎虚になる。
腎がしっかりしている人は、謙虚な気持ちでいられます。しかし、驚き・恐怖を味わったり、へりくだりすぎた状態が続くと腎が弱ってしまいます。
このように同じストレスを受けても、その時の感情や人それぞれの性格・体質によって弱る部分が違います。また気持ちの持ち様で、体調不良にならずに済むことも多いです。
東洋医学ではこれらのことも考慮しながら、生活習慣や感情のコントールなども含め治療や指導にあたります。
“眠りは百薬の長”といわれています。睡眠は心の傷をいやし、日中に疲労した脳を正常に修復、情報を処理。自然治癒力が高まり身体を修復、疲労回復します。
健康な身体を維持するためには睡眠と食事と適度な運動が必須です。
フル充電(=良質な睡眠)ができていない身体と心ではパフォーマンスは悪く、ケガや病気も治りにくくなります。
不眠とは睡眠障害の一種であり、平常時と比べて睡眠時間が短くなる、もしくは眠りが浅く疲労が取れない状態が続き身体や精神に不調が現れることをいいます。
一過性のものであれば問題ないのですが、1ヶ月程度続くと治療が必要となってくると思います。
に分類されます。
問診によりこれらを分類して原因を探ります。
生活習慣、ストレス、夜になっても交感神経が優位、運動不足、薬の副作用など不眠といっても様々な原因があります。
冷えや頻尿、お酒などからくる中途覚醒、熟眠障害。
神経の高ぶりや運動不足からくる入眠障害。
ストレスというのは嫌なことだけを指すのではなく、楽しいこと、刺激がありすぎることも脳や体にはストレスになるので気をつけてもらいたいです。
東洋医学的には
気滞(キタイ)・気虚(キキョ)が不眠と深く関わっています。
「気滞(キタイ)」とは、悶々としたりイライラしたりしてしまって、「気」の巡りが悪くなって停滞している状態です。
一方、「気虚(キキョ)」とは、「気」が不足することです。頑張りすぎたり気を遣いすぎることが続くと「気力」がなくなってやる気がでないといった状態になります。
「気」の流れというのは目に見えないものですが、日常で感覚的にとらえて『気』という言葉は使っていますよね。『気が滅入る』『気が動転する』『気を遣う』『気が合う』など。
その他では内臓の不調(西洋医学的には問題にならない不調)から不眠につながっていることも多いです。
高齢になると体力がなくなり、長く眠れなくなる方もおられます。冷えやむくみ、頻尿、耳鳴、腰痛などの症状を伴っていることが多いです。
一番多いのはストレスなどにより寝る時間にも交感神経が優位になり、入眠困難、眠れても途中で目が覚める中途覚醒、眠りが浅いことで早めに目が覚めてそこから眠れない方が多いです。
本来ならば、人は昼間は交感神経が優位に働いて“気”が上に=気が立っている状態。つまり頭に上って脳が活発に動くことによって、物事を考えたり行動したりします。そして夜になると、今度は副交感神経の働きが優位になって“気”が下におりていき、脳の活動が休まり眠りに入るのですがそれがスムーズに行えないタイプで現役世代にとても多いです。
臨床的には後頭部の凝り、肩甲間部のつまり、肋骨の下みぞおちの部分がつっぱっている方が多いです。そこは局所的な治療で即効性のある治療になりますが、しっかりと緩めていきます。
遠隔的な治療(東洋医学的考え)
原因、体質に合わせて交感神経優位になっているのを副交感神経優位に持っていくという施術や
胃腸の不調に対する治療。冷えや腰痛、頻尿など内臓の働きのバランスを整えることにより不眠を解消します。
簡単なことではありませんが、生活習慣行動の適正化に尽きると思います。
私たち施術家は、患者さまが交感神経優位になりやすい方の場合、副交感神経優位になるように施術します。また、ON・OFFの切り替えがスムーズに行き、疲れにくい身体を手に入れるためのお手伝いをします。
でも、一番大切なのは日頃の心構えです。
交感神経優位になりやすい方はリラックスできるようにストレスを減らす。回避できないストレスもあれば、減らせるストレスもあります。
減らせるストレスとしては、
・必要以上に画面を見ない。大きい音、嫌な音を避ける。目や耳、脳に対する刺激(ストレス)が減ります。
・衣服を調整して、寒すぎる環境や暑すぎる環境で我慢しすぎない。
・合わない人とは出来るだけ関わらない。
などたくさん考えられます。
生活環境によってはストレスが多く減らしにくい方もいますが、何がストレス(刺激)になっているのかを意識して生活してみれば、減らせるストレスがあることに気づくと思います。
ぜひ、ストレスを減らす生活を試みてください。
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