ここでは肩凝り以外の肩の痛みに対するいてまとめたいと思います。
肩の痛みと言っても様々な原因が考えられます。
40代から50代に多い『四十肩・五十肩』
肩甲骨と上腕骨をつなぐ筋肉(腱板)が切れてしまう『腱板断裂』や腱板が石灰化し炎症する『石灰性腱板炎』
スポーツなどによる筋肉や腱の損傷などの他
狭心症・心筋梗塞の前兆や内臓からの関連痛で肩が痛むこともあります。
まずその痛みがどういう種類のものなのか特定することが大事になります。
✔️ いつから痛むのか?
✔️ 痛むきっかけがあったかどうか?
✔️ どのような動きで痛むのか?
✔️ じっとしていても痛いのか?
✔️ 夜中うずくのか?
それによって原因をさぐり治療法も治癒期間も変わってきます。
組織損傷や炎症に対しては鍼灸適用ですが、腱板断裂や石灰化を疑う場合は一度病院受診をおすすめします。
次に肩が痛む原因で一番多い四十肩・五十肩についてまとめます。
正式名称を「肩関節周囲炎」といい、肩に痛みがあり動きが制限されます。
40代から50代に多いため四十肩・五十肩と呼ばれます。
最初は服の脱ぎ着がしづらくなった、腕が上がらないなどの症状で肩に違和感を感じます。
その後、炎症がきつくなると痛みが出て関節の動きが制限されてきます。
四十肩・五十肩の判別法として簡単なものは、両方の手で頭の後ろの髪の毛を束ねる動作(結髪動作)
両方の手を後ろ手にエプロンのヒモを結ぶ動作(結帯動作)で痛みや違和感、動かしづらいなどがあります。
炎症がきついと夜間にうずくような痛みがあり寝返りのたびに目が覚めるといった症状も出ます。
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)の原因ははっきりとはわかっていませんが
筋肉を使いすぎても、使わなすぎてもなります。
加齢による筋力低下や柔軟性の低下が原因にあると思います。
肉体労働やスポーツにより過度に筋肉を引き伸ばすことで防御反応として筋肉が縮まって固くなったり、反対に使わなさすぎて筋肉が衰えても関節周囲に炎症が起きます。
デスクワークの方では肩をすくむような姿勢(猫背)を続けることで胸の筋肉は縮まり肩の後ろの筋肉は引き伸ばされた状態で固まり、肩関節は動かしづらくなります。
ウェルネスでは四十肩・五十肩の痛みの軽減から根本原因までしっかりと診ていきます。
典型的な『四十肩・五十肩』は3つの病期を経て治癒します。
病期や重症度に合わせた治療が必要になります。
①炎症期 初発症状として違和感、痛みが現れ、動作時痛のため自分の力で肩を動かすこと(自動運動)が制限されます。それとともに安静時痛、夜間痛も生じ、肩関節の可動域が制限された状態(拘縮)が徐々に進行します。
この時期の痛みが強いときはまず安静に。生活習慣の中で肩に負担がかかる姿勢があれば避けます。
寝る時は痛む肩を下にしない、肩に重力がからないようにタオルなどをひくなど工夫が必要です。
必要であればテーピングを施し、関節組織に加わる刺激を極力減らします。
②拘縮期 拘縮が中心となり、あらゆる方向に肩関節の可動域の制限がみられますが、痛みは軽減していきます。
この時期に運動療法に入ります。
アロマオイルマッサージもおすすめです。
肩周辺の筋肉を緩めつつ筋力をつけることで、関節の可動域を広げるようにします。痛みのない範囲で行い再度炎症が起こらないように気をつけます。
③回復期 拘縮が徐々にとれて、肩関節の可動域が改善していきます。
どの動きをした時にどこに痛みが出るのかを丁寧に診ることが大切です。
肩の前面が痛むのか、後ろ側が痛むのか、外側が痛むのか、固くなっている筋肉、炎症部位を探ります。
肩甲骨、腕から首にかけての硬結などしっかり把握した上で経絡(ツボの流れ)を使って治療します。
肩関節周囲の筋肉を緩めて動きを改善するだけだと、すぐに元に戻ったり他の体の機能が壊れたり他の部位に痛みが出ることもあります。
肩の動きを改善させるためには、肩周りだけではなく頚椎から腰椎までの体の軸をしなやかに整える必要があります。
全身の左右バランスも整え片方の肩にだけ負担がかからないようにします。
また、体を副交感神経優位にし筋肉を緩みやすく炎症組織の回復を早めるように努めます。(自然治癒力を高める)
軽度の場合は重症化することなく短期間で治癒する場合もありますが、肩だけの問題ではないことが多く経過はまちまちで予測しにくい疾患です。
少し長い目でみていただき、継続的に治療することが大切だと思います。
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