こんにちは。鍼灸師の翁です。今回はうちの子供もよくなる『ものもらい』について話したいと思います。
まぶたに腫れやシコリができるものもらい。関西では「めばちこ」とも呼ばれています。
医学的には麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と霰粒腫(さんりゅうしゅ)の種類があります。
<ものもらい種類と違い>
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)
まぶた脂腺、汗腺、毛包などに元々いる黄色ブドウ球菌などの細菌感染によるもの。
症状
痒みや痛み、目やに、コロコロ感など
霰粒腫(さんりゅうしゅ)
感染ではなく、まぶたの脂腺(マイボーム腺)が詰まって、シコリができたものです。
症状
まぶたに硬いしこりができる
通常は痛みや赤みが少ない
しこりが大きくなると、まぶたが重く感じる
どちらも人へうつることはありません。
原因
免疫力が低下していると細菌感染やマイボーム腺が詰まることで引き起こされます。
季節の変わり目や夏バテ、睡眠不足などで体の免疫が低下すると、起こりやすくなります。
対策
清潔にする
汚い手で目をこすらない、触らないなど、目のまわりを清潔にしておくことが予防につながります。
化粧など、アイメイクや日焼け止めなど落とし残しが無いように注意しましょう。
疲れやストレスをためない
適度な運動や趣味などで疲れやストレスをためない、そして質の良い睡眠を取りましょう。
麦粒腫の場合、点眼薬や軟膏など抗菌薬も効果的です。鍼灸では特効穴として二間に灸を据えます。(下記に掲載しています。)
霰粒腫は、痛みや赤みがある場合は点眼も使用します。基本感染症ではないため、温めることでマイボーム腺の詰まりが緩和されます。
自然に破れず膿が出ない場合は切開する場合もあります。
東洋医学
鍼灸治療で免疫力アップ、夏で体力が消耗するこの時期に体のメンテナンスをお勧めします。
東洋医学では、膿がたまる状態を痰湿といいます。
痰湿
体内の余分な水分や老廃物が滞った状態。特に夏は高温多湿のため体に湿が溜まりやすい時期です。
めばちこに効く特攻穴も使いますが何が原因で免疫力が低下したのか、体質改善の治療を中心に行います。
特効穴
二間(沢田流)
人差し指を軽く曲げ第一関節と第二関節の間にできる関節のシワの部分
曲池
肘を曲げ曲げた所にシワができます。このシワの所が、『曲池』になります。
夏バテで胃腸の働きが低下したり冷房や冷たい物で体が冷えていたりする場合は足三里や三陰交なども使います。
本来、免疫力が正常に働いていれば細菌が触れても感染や詰まることはありません。個々の体に合わせてのケアーがとても大切です。
食生活の見直し
脂っこいもの、甘いもの、味の濃いものは控えめにしましょう。
暑いからといって冷たい物をがぶ飲みして水分を摂りすぎない。普段からこまめな水分補給を心がけましょう。
痰湿タイプにお勧めな食材
たんぱく質
動物性より青魚での摂取をお勧めします。
海藻類(昆布・わかめ・のりなど)や根菜類(ゴボウ・大根など、貝類(アサリ・しじみなど)を食事に取り入れてみて下さい。
これ以外にも何か不調などあればスタッフにご相談下さい。



