緊急事態宣言を受けて大阪府下はゴールデンウィーク明けまで自粛期間となりました。

皆さんいかがお過ごしでしょうか?アロマセラピストの吉川です。

テレワークを導入する企業も多くあり、また時差出勤や隔日勤務など働く日常が大きく変わった方が多いのではないでしょうか。お店のある本町も人通りが少なくなり、平日も週末のような感じを受けます。

状況は日々変化して行き、いつもよりもネットニュースやテレビからの情報を見る頻度が多くなっている方も多いかと思います。

自宅待機をされている方も多く、いつもの日常がまるで違うという状況はまさに「非常事態」。

「非日常」の状態です。

この「非日常」という言葉は旅先や年末年始などいつもの生活とは違う時間を過ごす時にも使いますが、今のこの日常は「楽しい」とか「嬉しい」という気持ちではなく、自粛による「窮屈さ」や先が見えない「不安」を多く感じてしまう「いつもとは違う日常」になっています。

このような状態が続いていくと体だけでなく心に大きな負担がかかってきます。

心理的に人の心は良いこと、悪いことにかかわらず、日常とは違うことに大きなストレスを感じます。セラピストやカウンセラーは心と体はつながっていると考え、心がしんどい時は体を癒し、体が辛い時には心を癒すことを大切にします。

新型コロナウイルスの感染拡大から緊急事態宣言、自粛生活の流れの中で「コロナ疲れ」や「コロナうつ」という言葉が多く見られるようになっています。

通常の生活の中でもストレスを抱えながら頑張って来たのに、まだ頑張らないといけないのか、、、多くの方の心と体はこの「非日常」をさらに過ごすことに疲れておられるのではないでしょうか。

今日は心から体を楽にしていただけるヒントにしていただければと思い、五感を研くことをおすすめします。

 

五感とは、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚という感覚を言います。目で見て、耳で聴いて、鼻で嗅いで、舌で味わって、そして肌で感じる。

この感覚は脳が深く関わっており、脳が疲れていると五感の感覚が低下してしまいます。

脳はご存じの通り運動や言語、感覚、意識というあらゆる活動をつかさどる器官であり、内臓の働きや代謝や体温などの機能をコントロールする自律神経の発信場所でもあります。

五感を研くことは脳の働きを助け、体をあるべき状態=負荷のかかっていない良い状態に近づけていくことです。五感ごとにおすすめしますので是非この機会に試してみてください。

 

【視覚】 パソコンやスマホを見ない時間を作りましょう。例えば、朝起きてすぐに見ない。顔を洗ったり、着替えてから見る。寝る前に布団の中では見ない。トータルで10分ほどの時間かも知れませんがまずは自分が出来るタイミングで試してください。

 

 

 

また眼精疲労を感じる時は目を閉じてみましょう。ゆっくりできる時間があればホットタオルで温めることは効果があります。

【聴覚】  人工的な音を遮断してください。日常には様々な「音」があふれています。すべての音を遮断することは難しいですが、一日の終わりに例えばリビングなどで、テレビや音楽を消して視覚を研く時のように目を閉じてしばらく「静寂の音」に耳を傾けてみてください。この時は一人で行うことをおすすめします。人の「声」も時としてストレスのもとになります。

早く起きた時はお散歩もおすすめです。都会の街中でも早朝は人も車も少なく、「自然の音」を感じることができます。

 

【嗅覚】 人工的な香りは避けましょう。最近はとても品質の良い芳香剤がありますが、感覚を取り戻すためには「自然の香り」を嗅いでください。

リラックス効果も含めてお好きなアロマの香りや生花の香りを楽しむことは生活に潤いを与えられおすすめです。アロマの精油は是非高品質の自然由来の製品を選んでください。

 

また、食事の時の料理のお味だけでなく「匂い」にも意識を向けてみてください。

聴覚を研くための早朝のお散歩では「静寂の中の匂い」も感じてみてください。早朝の空気は昼の空気とは違う匂いがするはずです。

 

【味覚】 食事は薄味の料理を「味わって」ください。

疲労がたまってくると濃い味を好む傾向があります。また、濃い味を好んでいくと「「早食い」にもなっていくとも言われています。ストレス発散で暴飲暴食してしまうこともありますが塩分やカロリーの摂りすぎなど健康を害する心配があります。

数種類の食材を使った食事が理想ですが、まずは食材の味を「舌で味わって」みることを試してください。

 

【触覚】 「触れること」にまず意識を向けてください。「肌で感じる」という言葉がありますが、言葉や視覚からの情報ではなく「感じたまま」の感覚で感じてみてください。

洗いたてのタオルに顔をうずめてみたり、あるいは誰かと手をつないだり、ペットをなでてみたり。手のひらや顔など皮膚の表面で感じる感覚は様々です。「触れた」時の「気持ち良さ」「心地よさ」を味わいましょう。

また、指圧やマッサージで「触れられる」ことも治療ですが気持ちがいいですね。

 

触覚はまず最初に発達する感覚と言われています。人間は他の動物と違い動物として未熟な状態で生まれてきます。自分一人で歩いたり、食べたりできるまでは誰かに世話をしてもらい、守ってもらわないと生きていけません。そのため人は赤ん坊の時に自分を守ってくれる誰か抱かれて大事にされたという記憶があり、「触れる」「触れられる」ことには「安心」という感覚が生まれると考えられます。

新型コロナウイルスの影響からなかなかマッサージやアロマトリートメントにお越しになれない方は、自分で「さすったり」「なでたり」することも効果があります。ご家族の方と「さすり合ったり」「なで合ったり」することもおすすめです。リラックス効果と共に家族でのコミュニケーションにもなるのではないでしょうか。

また、アロマをお持ちの方はアロマオイルを使ってハンドトリートメントはいかがでしょう。香りを楽しみながら「嗅覚」も研けます。本格的なマッサージでなくてもオイルを塗ってあげるだけでも気持ちがいいです。お試しください。

 

 

 

新型コロナウイルスに感染された方に「味覚」や「嗅覚」の異常を感じた方がいるとの報道があります。とても重要な「目安」となる症状ですが、異常かどうか、日頃の自分の感覚をまずわかっておくことが大切です。

味覚のところで触れましたが薄味の食事とともに、飲み物も刺激の強いものを避けましょう。ハーブティーや緑茶などを常飲されていると味覚や嗅覚の変化に気づきやすくなります。

 

見えないウイルスの影響がどのくらい続くのか先がまだ見えない状況です。こんな時だからこそ、心身の健康を維持するために「本来の自分」を意識して「非日常」のストレスから自分自身、家族を守っていただければと思います。

自粛生活で制約が増えた分、自分自身の健康について見直すチャンスもできたのかも知れません。無理のない範囲で、ご自分のリズムでの規則正しい日常を過ごしながら五感を意識してお過ごしいただければ幸いです。