こんにちは。アロマセラピストの吉川です。

 寒さも緩み始めて朝晩の冷え込みの中にも春の近づきを感じる頃となりましたね。季節の変わり目は体も寒い冬から暖かい春へと調整していくことが大切です。バランスの取れた食事と適切な運動や充分な睡眠など、体に負担のない規則正しい生活が望ましいです。しかし忙しい毎日の中ではなかなか難しいことも多く、コロナ禍の現在では制限のある生活にストレスを感じることも多くあります。

 

 そこで今回はそんな日常の体のメンテナンスにも効果が期待できる健康の強い味方、「柑橘系のアロマ」をご紹介します。

 

ウェルネスではアロマトリートメント用の精油を常時40種類以上を揃えています。その中でも人気があるのは圧倒的に柑橘系の香りです。オレンジやグレープフルーツなど、お馴染みの香りは「知っている」という安心感と何より、爽やかでスッキリした香りは気持ちをリフレッシュしてくれます。男性の方のリクエストが多いですが、ラベンダーやイランイランとブレンドした華やかさが加わった香りは女性の方にも好評です。芳香では一番出番が多いものが柑橘系のアロマです。

 

 この柑橘系のアロマは「健康の香り」と言われています。嗅いでみて、「この香り、気持ちがスッキリする」「リフレッシュする」と感じる香りは柑橘系の特徴でもあり、この誰もが心地よく感じる香りがその「健康の香り」の証でもあります。

 

 では、柑橘系アロマが「健康の香り」と呼ばれる理由を見て行きましょう。

 

 柑橘系のアロマには芳香成分の「リモネン」が多く含まれています。精油には成分によっていくつかのグループに分かれています。「リモネン」はモノテルペン炭化水素類という分子量が小さいグループに属しており、芳香物質の分子が小さい分、揮発性が高く香りが直ぐに立ち、精油自体もサラっとしています。

 

 モノテルペン炭化水素類は柑橘系以外の多くの精油にも含まれていますがその特徴として、殺菌、消毒、抗菌、抗ウイルス、抗真菌、免疫賦活、鎮痛、肝臓強化、うっ血除去など、健康に過ごすために欲しい効能がたくさんあります。

 

 「リモネン」はそんなモノテルペン炭化水素類のグループの中の一つの成分です。もう、これだけでも健康の強い味方ですが「リモネン」はそのグループの中でも優秀で、頼りになる成分なのです。

 

 柑橘系の精油は皮ごと実を圧搾して抽出します。熱を加えないため成分を損なうことが少ないため、新鮮な香りの成分をそのまま取り出すことが出来ます。あの「気持ちがスッキリする」という香りは皮ごと絞ったフレッシュなアロマだからのものです。そして、「リモネン」は果実の皮の部分に多く含まれおり、その効能は万能です。

 

リモネンの健康効果

●免疫力アップ

●リラックス効果

●安眠作用

●ダイエット効果

●覚醒作用

●ガン抑制効果

●食欲の増進効果

 

 

 「リモネン」は免疫細胞の働きを整えて、免疫力を高めることがわかっています。この働きにより、ガン細胞の働きを抑制したり、予防することが期待できます。

 

 また、香りが交感神経を刺激することにより新陳代謝が活発になり、覚醒を起こし、眠気が改善し集中力が高まると考えられています。ベルガモットの香りは「勉強部屋の香り」と言われており、近年塾などで受験生の集中力アップとリラックス効果のためにアロマを取り入れるところも増えてきました。

 

 そして、交感神経は血流を促し、体内の代謝や消化活動を活性化して、ゆえにダイエット効果にもつながります。消化吸収が促進されることで、食欲が増進し、胃粘膜の保護作用もあるため健胃作用もあると考えられています。ダイエットと食欲増進は相反することのように思われますが、内臓の働きが良くなることでの新陳代謝の向上で健康な体につながっていきます。

 

 その他にも、抜け毛の原因の悪玉酵素を抑制して抜け毛の予防や育毛、抗菌作用から頭皮のケアにも効果が報告されています。

 

 「リモネン」の成分は、香りから「リラックス」させてくれて、アロマトリートメントでは香りに加えて肌からゆっくり効能が浸透していきます。人の手によるトリートメントでうとうとお休みいただくと、自律神経のバランスが整っていき、効能効果がより促進されます。

 

 「リモネン」のある柑橘系のアロマは身近で誰でも受け入れやすい香りというところも「健康の強い味方」です。

 

 

ウェルネスの柑橘系のアロマ

●オレンジスイート 

●グレープフルーツ

●マンダリン

●レモン

●ライム

●ベルガモット

 

 ウェルネスの柑橘系のアロマは現在6種類揃っています。「リモネン」は柑橘系の果実に含まれていますが、それぞれに含有量は違っています。また、それぞれの「リモネン」以外の成分の割合によってもそのアロマの効果的な効能は少しずつ違っています。その時の症状や気分によって使い分けることもおすすめです。

 

 オレンジスイートは比較的安心安全なアロマです。誰でも嗅いだことがある香りは安心感がありリラックスし、安眠にも効果を発揮します。内臓が動かされ食欲不振の改善も期待できます。元気が出るアロマです。

 

 グレープフルーツはフレッシュな香りが二日酔いやモヤモヤした気分を払拭してくれます。胃腸を整え、消化不良の改善を促してくれます。血液リンパの流れをよくし、食欲のコントロールなどダイエット効果のあるアロマとして知られています。

 

 マンダリンは日本人には馴染みのポンカンの仲間です。甘い香りは疲れた心を明るくしリラックスさせてくれ、ストレス過多の方におすすめの香りです。ストレス性の胃腸炎などにも効果が期待できます。また、交感神経の鎮静作用から自律神経のバランスの調整をして不眠や不安、興奮などの症状にもおすすめです。

 

 レモンは疲労回復効果が高いと言われています。ストレスを和らげて、免疫効果も高めてくれます。血流の改善から老廃物の排出を促し健胃作用があり体内が強壮されます。また、スッキリした香りは気分をリフレッシュしてくれ、記憶力や理解力のアップにもつながります。

 

 ライムは爽やかな香りが不安や憂鬱を取り除き心をリフレッシュさせてくれます。レモンと同様、集中力が発揮され、記憶力や理解力のアップに期待ができます。消化不良や胃痛、食欲不振などの消化器系の不調を緩和してくれます。

 

 ベルガモットは心が落ち着く香りでリラックス効果が高く「勉強部屋の香り」とも言われています。神経を鎮めてリラックスした状態で集中させてくれます。抗うつ、抗菌、鎮静効果や消化促進、健胃など効能のバランスが取れています。

 

 

いいとこ尽くめの柑橘系のアロマですが注意することがいくつかあります。

 

光毒性があります。《注意する精油:グレープフルーツ・レモン・ベルガモット・ライム》

 光毒性を起こさせるフロクマリン類という成分がアロマトリートメント後に直射日光や強い紫外線を浴びると、皮膚に火傷のような症状や色素沈着を引き起こさせます。トリートメント後にしっかり拭き取ったり、肌を覆って保護したりして防止することが必要ですが使用から12時間から48時間ほどは強い日光に当たらないことをおすすめします。香りを嗅ぐ芳香では心配はありません。ただ、常時芳香をされている環境に長時間いる場合、空気中の精油成分が肌に付着して反応することもあります。また、オレンジスイートとマンダリンは光毒性はありませんので安心してオイルも楽しんでいただけます。

 

感作作用があります。《注意する精油:オレンジスイート・レモン》

 敏感肌やアレルギー体質の皮膚を刺激することがあります。皮膚への刺激とは異なり免疫機構に基づく反応です。こちらも芳香では大きな問題はありません。アロマトリートメントなど直接肌に使う場合、反応が心配な方は該当する精油を避けられるか、少量を肌に塗ってみるパッチテストで試された上で、比較的少ない適量での使用が望ましいです。

 

 

柑橘系は健康作りにピッタリ!

 柑橘系のアロマには注意する点もいくつかありますが、身近で誰にでも好まれる香りで日常に取り入れやすいところがとても優れています。朝の目覚めや、リビングタイムのリラックス、眠る際の安眠の効果など、その時その時の気分に合わせて使えますね。

 

 また、芳香やアロマトリートメントなど精油を使うだけでなく、果実をそのまま香ったり食べたりすることでも「リモネン効果」は得られると言われています。唐揚げなどにレモンが添えれれているのは油の消化を助けるためと知られています。飲み物にレモンを浮かべるのも、香りを楽しんだり、消化吸収を助ける意味もあります。最近の調査では、食事前に柑橘系の果物を食べると脂肪を分解する酵素が分泌されダイエット効果があるとも言われています。

 

食べるなら、グレープフルーツは注意が必要です。

 グレープフルーツは健康フルーツと昔から言われていますが、血圧降下剤・睡眠導入剤・抗てんかん薬・向精神薬・鎮痛剤などを服用されている方には要注意です。お薬との食べ合わせから副作用を増大させる可能性があります。基本的には口腔からの摂取での反応ですが芳香やアロマトリートメントでも注意が必要かと思います。該当するお薬を服用中の方で、香りだけでも楽しみたいな、オイルはどうかな、と思われる方は医療機関にご相談されることをおすすめします。また、ウエルネスをご利用の際も服薬の有無をお教えくださいませ。

 

 

アロマは植物の力を使った病気予防のセラピーです。

 ウェルネスのアロマはケモタイプと言われる植物の特徴的な成分を化学的に分析して、その含有量で種類を分類している高品質なプラナロム社の精油を使用しています。例えば、同じラベンダーでも生育環境などによりラベンダー特有の成分が違ってきます。もちろん香りも違いがあります。化学的な成分分析によりラベンダーという植物の種類の中でも、育った土壌や気候などによりその環境からの特有の成分が含まれます。ワインなど同じブドウの種類であっても、国や地域によって味わいも香りも違いますね。それと同様に特有の成分の含有量などにより分類されラベンダーも種類が多くあります。

 

 ケモタイプ精油は成分重視です。そのため症状に適した効能をより効果的に使うことができます。香りも、嗅いだ時の香り方が違うとおっしゃる方が多いです。私見ですが、プラナロム社の精油は香りに力強さがあるように感じます。しっかりと嗅覚を刺激してくれます。可能であれば、是非嗅ぎ比べをしてみてください。

 

 

鍼治療との組み合わせもおすすめです!

 さて、本日は柑橘系のアロマが健康作りにピッタリ!ということをお伝えしました。ウエルネスのアロマトリートメントはリラックスや癒しを求められる方はもちろん、滞っている体液を流して身体の活性化を促したいとお越しになる方も多いです。硬いコリや冷え、浮腫みも体液が動き出すことで少しづつ緩んで改善していきます。

そして、最近アロマトリートメントと鍼を組み合わせたメニューをリクエストされる方が増えてきました。ウェルネスでは鍼灸師による、鍼灸、美容鍼の治療を行っています。アロマと組み合わせることで、アロマ、鍼灸療法の効果が得られます。

 

 

 東洋医学の基本的な考え方である陰陽五行という学説があります。学説についての詳しい解説は本日は置いておきますが、「五行」という言葉や「五臓六腑」という言葉は耳にされたことがあるかと思います。上の図は五行の相関図です。対峙する相克関係と、手を取り合う相生関係にあります。

 

 体に不調が起こった時、例えば「心」の部分の症状(循環器や脳の働きの低下が考えられる)がある時は「血の流れをよくする」アロマ(ローズマリー・イランイラン・ラベンダーなど)を使いますが、体は全身つながってるのでひとつの症状の改善は「血のめぐり」が重要です。アロマトリートメントと鍼治療の組み合わせでは、アロマの効能に加えて、「経絡」や「ツボ」へアプローチをして、この五行からより効果的な改善や予防が期待できるかと思います。

 

 因みに柑橘系のアロマは、「脾」(レモン:消化吸収アップ・体のリセット)、「肝」(ベルガモット・グレープフルーツ・オレンジスイート・マンダリン:自律神経のバランス・リラックス)にあたりまるアロマが多くあります。

 

 日常の健康作りにご興味のある方は、是非柑橘系のアロマを活用してみてください。コロナ禍の状況はまだしばらく続きそうですね。先の見えない不安な毎日ではありますが、身近にできることからご自身の健康を守ってください。

 

ウェルネスでは少しでも皆様の健康作りのお手伝いができますように、スタッフ一同元気にお待ちしております!